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外出規制が緩和され、リヨンの町が人で溢れた

外出規制が緩和され、リヨンの町が人で溢れた

2020年11月28日から飲食店を除き、商店が営業を再開 !
リヨンの町なかはどんな様子なのか、散策してみた。

2020年11月28日土曜日から、衣料品店、書店、花屋、美容室、ギャラリー、楽器屋、芸術関連の商店など、生活必需品の対象外となっていた商店が営業を再開した。10月30日から実施されているロックダウンは解除されていないが、外出証明書を携帯すれば、自宅から20キロ圏内、最大3時間まで外出が可能となる。1年で最も大切な家族行事のクリスマスまで4週間をきり、フランス人はうずうずしていたこと間違いなし。リヨンの町なかがどんな様子なのか、興味津々で散策してみた。 

仕事を終えてオフィスを出たのが16時過ぎ。日が暮れるのが早いので急いでプレスキル(ソーヌ川とローヌ川に挟まれた中州でリヨン最大の商業区域)へ向かう。

途中、ローヌ川に架かる橋を渡るとき、ふと足を止めて、紅葉の木々が立ち並ぶ河岸を眺めた。5月11日、最初のロックダウンが解除された日もこうしてローヌ川の河岸を眺めたことを思い出したからだ。河岸の散歩道を歩く人たちを見るとなぜか心が和む。とても平和な光景だからか。

プレスキルのメインストリートであるレピュブリック通り(Rue de la République)に到着すると、買い物袋を提げた家族連れ、カップル、友達同士が…、「わあ」と声をあげてしまいたくなるほどの人出だった。

16時30分を過ぎていた。パティスリーやスイーツ系のお店の前に行列がみられる。そうだ、おやつの時間だ。「Aux Merveilleux de Fred」は、1982年、フランス北部、ベルギーとの国境に近いアズブルック(Hazebrouck)という町にパティシエのフレデリック・ヴォカン(Frédéric VAUCAMPS)さんが創業したメレンゲとブリオッシュが大人気のパテスリー。リヨン店は、ため息がでるほど見事なシャンデリアと清潔感溢れるオープンキッチンがひときわ目を惹く。ガラス越しにパティシエがテキパキと作業している様子を見ていたら、「仕事ができる喜び」が伝わってきた。

レピュブリック広場(Place de la République)に面したプランタン百貨店やユニクロもオープン。大型店舗が営業を再開すると町がいっそう賑わう。

リヨンの高級ブティック通りとして知られるプレジダン・エドゥアール・エリオ通り(Rue du Président Edouard Herriot)からレピュブリック広場に移転した「エルメス(Hermès)」のリヨン店に、なんと入店を待つ人たちの行列が…。衛生プロトコールにより、客ひとりあたり8平方メートルのスペースを確保しなければならないため入場制限が行われているが、それでも驚いたのが、外国人観光客でなくリヨン人がエルメスを買い求めに来て並んでいるのだ。報道によれば、新型コロナウイルスのパンデミックでフランス経済は戦後最悪の落ち込みを記録し、リセッション(景気後退)入りしたはずだが。そういえば、ロックダウンで外出できず、貯蓄額が高まっていることも話題になっていた。小売店の営業再開と同時に高級ブランド店に行列ができるのだから、消費者購買力の底堅さを感じた!

 

夕暮れ時のジャコバン広場(Place des Jacobins)は美しい。中央にある噴水と大理石の彫刻は1881年から1885年にかけて造られたもので、リヨンを代表する4人のアーティスト、建築家のフィルベール・ドゥロルム(Philibert Delorme、1514年-1570年)、彫刻家のギヨーム・クストゥ(Guillaume Coustou、1677年-1746年)、彫刻家のジェラール・オードラン(Gérard Audran、1640年-1703年)、画家のイポリット・フランドラン(Hippolyte Flandrin、1809年-1864年)の彫像が配置されている。

ジャコバン広場に面して瀟洒な建物がたちならび、高級ブランド「ランセル(Lancel)」やプレタポルテの人気店「パブロ(Pablo)」、ネスプレッソブティックなどが店を構えている。ぐるっと360度、どこを見ても美しい広場だ。

ジャコバン広場とベルクール広場を結ぶエミール・ゾラ通り(Rue Emile Zola)はお洒落なブティックが連なる、いうなればショッピングストリートである。フランス製ハンドメイドの高級子供服「ボンポワン(Bonpoint)」、婦人服の「Ba&Sh」「クローディ・ピエルロ(Claudie Pierlot)」「ザディグ・エ・ヴォルテール(Zadig & Voltaire)」、高級食材店の「メゾン・マルヴァル(Maison Malleval)」そして、小さな店構えだがいつも行列ができるアクセサリー店「アトリエ・ダマヤ(Atelier d’Amaya)」。アトリエ・ダマヤでは、メダルに刻印してパーソナライズできるアクセサリーが人気を呼んでいる。確かに、大切な人への思いを刻んだメダルアクセサリーはクリスマスプレゼントにぴったりかも…。

気がつけばすっかり日が沈んでいた。エミール・ゾラ通りからベルクール広場に抜け、そこから地下鉄で帰宅しようと思っていたが、この日、国会で審議中の治安法案に反対するデモが行われた。ベルクール広場がデモの最終地点となり、ベルクール広場へと抜ける道が警察の警備隊で封鎖されてしまった。仕方なく、エミール・ゾラ通りを引き返してレピュブリック広場に戻ると、広場の中央にある噴水がライトアップされていた。光の町リヨンらしい、イルミネーションの夜景が目の前に現れ、なぜかとても懐かしく、心が躍り、つかの間、コロナ禍にあることを忘れさせてくれた。

11月28日から実際される規制緩和の第一段階は12月14日まで続く。感染状況が改善されれば、12月15日から外出禁止が解除され、地域間の移動や旅行が可能となる。家族・友人が集まりクリスマスを祝うことも可能となる。映画館、美術館、劇場も再開が可能となるかもしれない。ただ、レストラン・バーなどの飲食店は、衛生措置の徹底を行ってもなお、マスクの装着、社会的距離、密室空間、滞在期間などの点において、感染リスクがどうしても高い場所であることから、1月20日まで引き続き閉店となる。

11月28日の新規感染者数は1万2580人。11月7日に記録した8万6852人をピークに、感染者数は減少傾向にあるが、一進一退が続いている。忘れてはならないのは、こうして町歩きを楽しんでいる間も、医療従事者は感染者の治療・看護にあたっていること。病院のひっ迫した状況と医療従事者の疲弊を軽減するために、感染を回避すべく予防策を継続することが私たちの使命ではないか。耳にたこができるほど繰り返されているが、「手指の消毒」「マスク着用」「三密の回避」を心がけていきたい。

文・写真:マダムユキ(著作権保護から無断複写・複製は禁じられています)


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