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リヨンで過ごす日曜日は『蚤の市』を歩こう

リヨンで過ごす日曜日は『蚤の市』を歩こう

お店が閉まっているフランスの日曜日、何をしようかと悩んでいるかたへ

フランスを旅行して、「日曜日にお店が閉まっている」ことに不便さを感じた方が多いのでは?

日本では、日曜日は土曜日の延長で、ショッピングや食事、美術館やコンサートなど、街にでかけると多彩な楽しみがある。家族連れも多く、明るく賑やかな雰囲気である。それに比べると、フランスの日曜日は街が閑散としている。政府が指定した観光ゾーンを除き、百貨店も小売店も飲食店も閉まっている。パン屋さんやコンビニが午前中のみ営業するくらいだろうか。幸いにも美術館・博物館は開館するので旅行者にはありがたい。

フランスに住み始めた頃、「フランス人は日曜日に何をしているのだろう」と疑問に思ったことがある。 

2015年に調査会社CSA(CONSUMER SCIENCE & ANALYTICS)が実施した「フランス人が好む日曜日の過ごし方」調査によれば、回答者(複数回答可)の65%が日曜日は「家族と過ごす」と答えていた。それでは、家族と離れて暮らす単身者や学生はどのように過ごしているのかと首をかしげるが、続いての回答結果をみれば、56%が「散歩する」、41%が「テレビを見る」、27%が「ガーデニング・日曜大工」、24%が「読書」、16%が「家事」、16%が「スポーツ」、11%が「美術館やエキスポに行く」、8%が「買い物」とのこと。 なるほど、家でできることがほとんどだ。当然の結果であろう。

実は、フランスでは日曜日や祝日の労働規制が厳しく、商店などの営業活動が制限されている。店主が営業したくても法的にできないのが現状だ。2006年に調査会社IFOPが「フランス人と日曜日の商店の営業」について調査したところ、回答者の56%が「日曜日に商店が営業できるように法規制を緩和することは望ましい」と答えていた。つまり、フランス人の半分以上は、日曜日にお店が開くことを望んでいるのだ。2015年にも同様の調査が行われ、調査会社Odoxaによれば、回答者の68%が「日曜日に商店が営業することは望ましい」と答えていた。

それでは、フランス人は日曜日に働くことをどう思っているかといえば、調査会社Odoxaによる2015年の調査で、「日曜日は働きたくない」という回答が56%を占めていた。「日曜日に商店が営業するのはうれしいが、自分は働かないぞ」ということなのか。まあ、フランス流に考えて「デパートに出かけたり、レストランで食事をすることだけが日曜日の過ごし方ではない」ということだろう。

それでは「何か別の楽しみを探そうではないか」ということで、日曜日に人気を集めているのが『蚤の市』だ。

『蚤の市』とは、「不用品を広場などに集めて交換・売買する青空市、フリーマーケット」のことだか、パリ北部の路上で古物を売る特設市場(Marché aux Puces)が起源だそうだ。パリの三大蚤の市「クリニャンクール蚤の市(Marché aux puces Saint Ouen)」、「ヴァンヴ蚤の市(Marché aux puces Vanves)」、「モントルイユ蚤の市(Marché aux puces de la Porte de Montreuil)」はとても有名で、地元の人のみならず観光客にも人気がある。 

実は、リヨンにも『蚤の市』が開かれているがご存知だろうか。リヨンといっても隣町のヴィルールバンヌ市(Villeurbanne)になるが、5.5ヘクタールの敷地に屋内屋外600露店が並び、パリのクリニャンクール蚤の市に次ぐ、フランスで2番目に大きなフリーマーケットになる。1995年に、ヴィルールバンヌ市の水力発電所にローヌ川から水を引くために人工的に造られたジョナージュ運河(Canal de Jonage)沿いに創設され、『ピュース・デュ・カナル(Les Puces du Canal)』、直訳して「運河の蚤の市」と呼ばれている。

 

『蚤の市』は、フランスの生活様式、伝統、文化、歴史の一部を垣間見ることができるので実におもしろい。古本、古着、古物、古道具、年代物の家具・調度品、食器、アクセサリーなど、ジャンルも幅広く、驚くほど何でも販売されている。店主も骨董品商、古物商、雑貨商、古本商などのプロフェッショナルから、不用品やがらくたを処分する一般家庭まで幅広く、本物、偽物、複製品、ジャンク品とクオリティもさまざまだ。本来の機能性が失われてもインテリアやアクセサリーとして工夫すればお洒落なヴィンテージアイテムとして再利用できる。

『蚤の市』のもうひとつの楽しみは、何といっても「値段交渉」だ。値札は目安で、明るい笑顔で「おまけして」と値切ってみると意外と成功する。それが蚤の市の醍醐味だ。お気に入りの品に出会えて、さらに「得した気分」になれる!『蚤の市』歩きはやみつきになる。自宅用遣いにもプレゼントにもお土産品にも、バイヤー気分で掘り出し物さがしを楽しんでみてはどうだろう。ぜひ、お試しあれ。

 

 【ピュース・デュ・カナル(LES PUCES DES CANAL)】

 住所:5 rue Eugène Pottier – 69100 Villeurbanne France
 営業時間:木曜日 07:00-13:00、土曜日 09:00-13:00、日曜日 07:00-15:00
 アクセス:シャルペン(Charpennes)から37番線で「Roulet」停留所下車、徒歩4分
 備考:
 ・治安は悪くないが、蚤の市という性格上、高価な衣服・装飾品の着用は避け、休日のラフな服装をおすすめ
 ・ショッピングバッグ(エコバッグ)も忘れずに
 ・新型ウイルス感染予防の対策中につき、マスク着用が義務付けられている 

 

文・写真:マダムユキ(著作権保護から無断複写・複製は禁じられています)


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