美術館・博物館

リヨン印刷博物館

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リヨン印刷博物館
MUSEE DE L’IMPRIMERIE ET DE LA COMMUNICATION GRAPHIQUE

住所:13 rue de la Poulaillerie 69002 LYON FRANCE
電話番号:+33 4 78 37 65 98
開館時間:10時30分~18時
休館日:月曜日、火曜日、1月1日、5月1日、11月1日、12月25日
入館料:大人6ユーロ(常設展)、8ユーロ(常設展+特別展)

最寄り駅:地下鉄A線 コルドリエ(Cordeliers)

リヨンが『印刷の都』であったことをご存知だろうか。15世紀の後半から、パリに次いで、リヨンは印刷業が盛んな町であったという。15世紀後半、フランス王11世(在位1461年~1483年)が君臨した時代であり、印刷術の擁護、養蚕の普及、鉱山の開発など、産業政策に力を入れた王として知られる。そのルイ11世が、1464年から、リヨンの町で年4回の物産展を開催することを許可した。陸路・水路が充実しているリヨンにヨーロッパ各地からモノ(特に、イタリアの絹、フランドルの布、香辛料、香水など)が集まり、商人が集まり、商品の掛売・掛買に伴う銀行家が集まり、リヨンは商業・金融の町として発展することになる。

町が発展すれば、商人、職人にほか、文化人など知的階層も集まり、聖職者も加って、思想や技術の情報源となる書物の流通が盛んとなる。1473年にリヨンに最初の印刷所が創業したのも納得いく話であろう。 

印刷とは、紙や布などの媒体に文字、絵、写真などの画像を再現することをいう。

最も古い印刷技術は木版印刷と呼ばれ、木の板に文章や絵を彫り(木版)、その上に絵の具や墨などを塗り、紙に転写する方式で、ヨーロッパの印刷技術の主流であった。1450年頃、ドイツのヨハネス・グーテンベルグ(Johann Gutenberg)によって、金属活字を用いた活版印刷技術が発明された。印刷機でプレスすることにより、短時間で大量の書籍製作を可能にしたのである。「印刷革命」と呼ばれるほど印刷の世界に大きな転機をもたらし、いわゆる印刷業という、新しい職業を誕生させたのである。 

1470年、印刷機を利用した最初の書籍がパリで印刷された。その3年後の1473年、リヨンの富豪バルテルミー・ビュイエ(Barthélemy Buyer)が活版印刷機をリヨンに導入し、印刷所を構えた。これがリヨン印刷産業の始まりである。

リヨン印刷博物館は、クーロンヌ館(Hôtel de la Couronne)と呼ばれるルネサンス様式の瀟洒な建物の中にある。1604年から1655年までリヨン市庁舎だっただけに、外壁の装飾、ルネサンス特有のアーケードや螺旋階段塔など、リテールがとても美しい建物である。1964年にリヨンの印刷業者モーリス・オーダン(Maurice Audin)氏によって設立され、リヨン図書館の館長だったエンリ=ジャン・マルタン(Henri-Jean Martin)氏、パリで書店を営むアンドレ・ジャム(André Jammes)氏が所蔵品の収集などで大きく貢献し、印刷博物館としてはヨーロッパ有数のコレクションを誇る。

リヨン印刷博物館は、2014年に50周年を迎え、『印刷・グラフィックコミュニケーション博物館』と改名。印刷の黎明期から木版印刷、活版印刷を経て、オフセット印刷、さらには19~20世紀のグラフィックアートに至るまで、所蔵品の拡大を続けている。

文・写真:マダムユキ


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