リヨンからノルマンディの海辺の町ドーヴィルへ

リヨンからノルマンディの海辺の町ドーヴィルへ

ノルマンディ地方の高級リゾート地にむけて列車で旅にでた

 

ドーヴィル観光局のステファンから「フランシスコ会女子修道院の建物が改装されたよ。見学ツアーにおいでよ」と誘われた。実は2年前、ステファンがリヨンのオフィスに立ち寄ってくれたとき、「マダムユキ、グッドニュースがあるんだ」と興奮気味にタブレットを取り出して、「ドーヴィルの町に新しい文化施設ができるんだ!1876年に建てられた修道院を全面改装して、そこが文化発信の核心となる。しかも、6500m²の広さだ。」と、プロジェクト写真を披露してくれたのだ。それを見て「えっ、これはすご~い!」と、興奮して答えたら、「そうだろう、凄いだろう!」と、褒められた子供のようにステファンがニッコリ笑みを浮かべるものだから、嬉しくなって「完成したら必ず見に行くからね」と約束したのだ。すると、「マダムユキ、前もそんなこと言ったけど、ドーヴィルに来なかったよ。今度は絶対だよ」と、くぎを刺された。そうそう、数年前にドーヴィルでのイベントに招待されたのだけど仕事が立て込んでいたので断った経緯がある。でも今回は大丈夫。旅行業は「開店休業中」なので時間は十分にある。ということで、「これは絶対に行かねば…」とドーヴィル行きを決めたら、たまらなくドーヴィルの海がみたくなって、うずうずしてきた。 

ドーヴィルといえば、フランス映画を代表する『男と女』(1966年、クロード・ルルーシュ監督)の舞台となった町だ。海岸に沿って続く板張りの散歩道、カラフルなビーチパラソルがお行儀よく並んだ砂浜…、セレブが常連客のオテル・バリエール・ル・ノルマンディ…、長年来のあこがれの場所でもある。 

「旅先でウイルス感染したらどうするの?」という周囲の心配をよそに、久しぶりにウキウキ・ワクワクして、鼻歌を口ずさみながら旅支度をした自分がいる。 

リヨンからドーヴィルに行くには、まず、TGVという都市間を結ぶ高速列車でパリへ。パリで長距離都市間を走る特急列車に乗り換えてドーヴィルへ。朝9時34分発のTGVでリヨンを出発して、ドーヴィルに到着するのは14時45分。およそ5時間の列車の旅となる。 

リヨンには高速列車TGVの停車駅として第3区のパールデュー駅(Gare de Part Dieu)と第2区のペラシュ駅(Gare de Perrache)の2つの駅があり、第3区のパールデュー駅はリヨンで最も利用者の多い駅だ。1日あたり12万人が列車を利用し、1日あたり3万人が列車には乗らないが駅構内を通り抜けで利用している。年々利用者数が増加し、駅構内の混雑が際立ってきたことに加えて、駅舎の老朽化もあり、2017年に駅の近代化工事が開始された。駅舎の完成予定が2024年というから、かなり大規模な工事だ。

 

駅入口はロープで入舎する人と出舎する人の通行を分け、各入口に手指消毒液が設置されている。

構内の床には歩行向きを示す矢印や、歩行者の停止場所を記すマークが記され、ビジュアルに人を誘導して、ソーシャルディスタンスの確保を促している。

 

人の移動が制限されている今、列車の運行数が大幅に減り、09時34分発がパリ行きの朝一番の列車だった。

 

リヨンから2時間でパリに到着!2020年12月以来の1年ぶりのパリだ。パリとリヨンを結ぶTGVは、リヨン駅(Gare de Lyon)という名の駅が発着駅となる。リヨン駅を出たら地下鉄乗り場へ移動し、パリメトロ14号線に乗ってサン・ラザール駅へ。サン・ラザール駅から12時30分発のドーヴィル行き列車に乗る予定だ。乗継時間が1時間あるから、そんなに急ぐ移動ではない。パリメトロ14号線はサン・ラザール駅(Saint-Lazare)とオリンピアード駅(Olympiades)を結び、1998年に開通したパリで最も新しい地下鉄ラインで、乗務員不在の自動運転なので、ストライキが起きても14号線だけは運行するという大変便利だ。いつも混んでいるパリの地下鉄だが、その日は思いのほか空いていて、車内で1mの対人距離の確保は無理だが、それでも人に触れることなくゆったり移動ができた。 

こうして、パリに6つあるターミナル駅の一つ、サン・ラザール駅に到着!1837年に開業し、パリのターミナル駅のなかで最も古い駅になる。サン・ラザール駅といえば、オルセー美術館所蔵のモネが描いた「サン・ラザール駅」(1877年作)が思い出される。駅構内に商業施設が設置され、パリの北駅に次いで利用者の多い駅とのこと。いついっても賑わっているが、今は、大型商業施設は営業禁止のため人通りも少なく、食料品を扱う店以外はシャッターが下りていた。

 

サン・ラザール駅には高速列車TGVの発着はない。パリ北西方面の近郊列車とノルマンディ地方の主要都市に向かう長距離列車が発着する。今回の目的地ドーヴィルはこのサン・ラザール駅から乗車する。ということで、地下鉄駅からノルマンディ地方行きのプラットホームめがけて長い通路を歩いた。久しぶりに広い駅を歩いた。地方から都会にやってきたおのぼりさん気分で歩いた。足取り軽く歩いた。人通りが少なく、歩きやすかった。 

ノルマンディ地方行き列車の乗場前広場に着くと、お昼前なのに意外と人が多くてびっくり。利用する列車のプラットホームの番号は発車10分ぐらい前にならないと発表されないので、みんな顔をあげて電光掲示板を眺めていた。番号が発表されると一斉に人が動きだす。改札はすべて自動改札でチケットに記されたQRコードでゲートが開く。携帯からもチェックインが可能だ。便利になったものだ。旅立つ儀式のように改札ゲートを抜けてホームを歩く。サン・ラザール駅は19世紀の産業革命を象徴する鉄筋構造で、趣きがあってカッコいい。

ところで、鉄道マニアの私は、列車の顔を必ず写真におさめる。ノルマンディ行きは赤い目をした機械戦士のような顔している~。よく見ると、とてもお茶目だ。

 

全車両が自由席。椅子の向きが固定されているので、進行方向に向いた椅子を確保した。

 

車窓からパリ郊外へと向かう様子を動画におさめた。やはりパリは雰囲気がある街だ。つくづく感じる。

こちらから動画をどうぞ:パリ・サン・ラザール駅からノルマンディー地方へ

 

ノルマンディ地方に入ってから、のどかな風景を動画におさめた。やはりフランスの地方は美しい。つくづく感じる。

こちらこら動画をどうぞ:リヨンからノルマンディー地方にやってきた

 

5時間の列車の旅を終えてドーヴィルに到着!駅舎を見るのが楽しみだ。わくわくしながらホームに降り立ち、駅舎へと進んだ。「わ~、可愛い!」と思わず叫んだ。周りの人からとても奇妙な目で見られたが、そんなことはお構いなし。私はきょろきょろ歩き回って、バシバシと写真を撮った。ご覧いただきたい。

 

素敵な駅舎ではないか。 

さて、ドーヴィルってどんな町なんだろう。『男と女』の舞台は1966年のドーヴィルだったけど、あれから54年の月日が流れ、町は変わったことだろう。まずは、ドーヴィルの宿泊地「YOU ARE DEAUVILLE」というホテルの場所をグーグルマップで調べた。駅から徒歩5分。移動開始だ。こうして、私のドーヴィル街歩きが始まった。 

この続きは次回のお楽しみ。

 

文・写真:マダムユキ(著作権保護により無断複写・複製は禁じられています)

 

 

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